2019年05月25日

『たくさんの花芽、コッレジョーロ種…』


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浜オリーブ畑のコッレジョーロ種…。
今年も綺麗な花芽がそろってきました。


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花芽が目立つようになると、嬉しいものです。
この冬、浜オリーブ畑の剪定は、例年の5倍ぐらいの時間をかけて剪定したから、ものすごく不安だったけど白い蕾を見ると5倍以上の喜びがあります。

樹が大きくなってきて、樹間を間引きして本数は少なくなってきたけど、樹が大きくなってくるにつれ剪定も難しくなるし、悩みも大きくなる。年々収穫量も増えてきて、隔年結果も覚悟しなければいけないが、農業…、実を収穫しなければというプレッシャー、苗木を植えて大きく育てている時は整枝剪定を中心なのですが、今年もコッレジョーロ種のOilを採油したい

100%ではないですが、花芽の着く確率の多い枝、確率の低い枝はわかるので、着く多い枝を厳選して剪定しました。でも、それが剪定しながら悩むのです。
『花芽が着く枝ばかりの残すと来年は花が咲きにくい…。』と…。


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たくさんの花芽、蕾を見ながらの喜びと同時に、来年に花がついてくれる枝も伸びているのを見て、また喜ぶのです。

『上の方に実をつけて、下の方に来年花が咲いてくれる枝…。』
そう悩み考えて剪定した今年のコッレジョーロ種…、花芽は着いたけど、来年なる枝がうまく出てくれるかは、この夏ごろ結果が分かります。樹を見て悩み考え、これからも技術の蓄積をしていく楽しみ沢山です。

コッレジョーロ種…、来週には満開になりそうです…♪







農夫 尾豊弘


posted by takao-olives at 19:48| 日記

2019年05月20日

勉強の1日

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5月17日は、イタリア シチリア州から農学者チチェロさんが来てくれ1日オリーブの勉強でした。

オリーブ畑では、剪定と施肥を中心に教えてもらいながら意見交換をしました。
花芽を見ながら花の着いていない枝を、今、剪定してもいいかどうかということです。剪定では、花の数と葉っぱの数を考えると、剪定してもいい樹としなくてもいい樹の判断方法、11月から2月にかけてオリーブの樹が休眠期に剪定することや、イタリアでは、2年から3年に1度の剪定しかしない農家もあることなど教えてもらいました。
 剪定する枝は、まっすぐ伸びた枝、葉っぱの着いていない弱った枝、枯れ枝を中心に選定していき、樹形VASOでは必ず上のまっすぐな枝は止めること…。
 樹の大きさや枝の太さを考え、どのタイミングで上の方を止めるのは、これまで悩んでいたので解決。色々考えながら剪定してきたのも正しかったことを確認できました。そして単純明快に剪定のルール化が自身の中に簡潔できそうなヒントがたくさんありました。

 採油場では、オリーブオイル味を採油方法でどう変えていくかを、たくさん話しました。
オリーブの実の洗浄や破砕、マラキシングや遠心分離などです。これまでの経験の中で完結している部分と、新しい採油方法も教えてもらい、今秋、試してみたくなりました。
 
 オリーブの話で盛り上がるのは楽しいものです。
これから新しく国際交流を続けていきたいと思っています…♪

農夫 尾豊弘


posted by takao-olives at 16:57| 日記

2019年04月28日

『レモンの環状剥皮』



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オリーブを採油する採油場の外…、POTで育てているレモンの樹。
毎年たくさんの花が咲くのに実は少ししかならない。
なので今年は『環状剥皮』をしてみて、様子を見てみることにしました。

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枝(主枝)を環状剥皮するか…、思い切って主幹を剥皮するか考えてみるけど、主幹を環状剥皮することにしました。


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ビニールテープを巻く、『OK』ではなく親指の腹がちょうど剥皮する幅=テープの幅。


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テープの幅に沿ってカッターナイフで皮を切ってきます。


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切ったら、マイナスドライバーで皮をはがしていきます。


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切り口から菌が入って病気にならないよう、テープを巻いてあげます。
これで完成『環状剥皮』…!!





農夫 尾豊弘


posted by takao-olives at 20:01| 日記

2019年04月14日

Olive Oilの国際基準(理化学検査)

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今日は朝から曇り空…、昼前から雨が降り始めました。

雨の日は、ハウスの中でコツコツと草抜きですが、この頃は夕方6時過ぎまで畑にいられるのですが、ハウスの中でも曇っていて早く見えなくなってきます。
なので、今日のハウスの草抜きを少し早く終え、国際オリーブ理事会(IOC/COI)が定める理化学検査(ケミカルテスト)の項目をまとめてみました。

酸度0.8以下、過酸化物価20以下と言った数字はよく聞きますが、国際基準のケミカルテストは32項目もの数字が定められています。
人の味覚で欠陥がないこと(パネルテスト/官能評価)と、この数字をクリアして初めて国際基準のエキストラバージンオリーブオイル(EVOO)と認証されます。


・FREE FATTY ACIDS 酸度 0.8% Oleic Acid 以下
・PEROXIDE VALUE  過酸化物価 meq 20/kg oil 以下
・SPECTROPHOTOMETRIC INVESTIGATION
IN THE ULTRAVIOLET  紫外線吸光度
  K232  2.50以下
  K268  0.22以下
  Delta K 0.01以下
・MOISTURE AND VOLATILE MATTER   
水分と揮発性物質  0.2%以下
・ALKYL ESTERS(Fatty Acids Methyl and Ethyl Esters) 
アルキル エステル(メチル・エチルの脂肪酸)
 Total ethyl esters  35mg/kg以下
・FATTY ACIDS METHYL ESTERS(脂肪酸メチルエステル)
 C14:0-Myristic acid(ミルスチン酸) 0.03%以下
 C16:0-Palmitic acid(パルミチン酸) 7.50〜20.00%
 C16:1-Palmitoleic acid(パル三トレイン酸) 0.3〜3.5%
 C17:0-Heptadecanoic acid ヘプダデガン酸(マルガリコ酸) 0.30%以下
 C17:1-Heptadecanoic acid へプタガン酸 0.30%以下
 C18:0-Steanic acid ステアリン酸 0.50-5.00%
 C18:1-Oleic acid オレイン酸 55.00-83.00%
 C18:2-Linoleic acid リノール酸 2.50-21.00%
 C20:0-Arachidic acid アラキジン酸 0.60%以下
 C18:3-Lionolenic acid リノレン酸 1.00%以下
 C20:1-Eicosenoic acid エイコセン酸 0.40%以下
 C20:0-Behenic acid ベヘニン酸(べヘン酸) 0.20%以下
 C24:0-Lignoceric acid リグノセリン酸 0.20%以下
・TRANS FATTY ACIDS CONTENT トランス脂肪酸含有量
 C18-1-(Elaidinic) 0.05%以下
 C18:2+C18:3 0.05%以下
・DIFFERENCE 0.2%以下
・CHOLESTEROL コレステロール 0.5%以下
・BRASSICASTEROL ブラカステロール 0.1%以下
・CANPESTEROL カンペステロール  4%以下
・DELTA-7-STIGMASTADIENOL デルタ 7 スチグマステノール 0.5%以下
・TOTAL BETASITOSTEROL 総ベスタチオステロール 93% 以上
・TOTAL STEROLS CONTENT 総ステロール含有量 1000mg/kg 以上
・ERYTHRODIOL AND UVAOL エリストジオールとUVAOL 4.5%以下
・WAXES(C42+C44+C46) ワックス 150mg/kg以下
・STIGMASTADIENS 0.05mg/kg以下


数字のほとんどは、『以下』ですが『以上』もあり、オレイン酸55.00〜83.00%など『以上〜以下』もあります。

近日中、見やすいよう『高尾農園のオリーブ畑』のHPへ公開していこうと思っています。


農夫 尾豊弘


posted by takao-olives at 19:43| 日記

2019年04月07日

『油祖離宮八幡宮 春の日使頭祭』



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昨日は、京都JR山崎駅すぐの『油祖離宮八幡宮 春の日使頭祭(ひのとさい)』へ行ってきました。


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貞観2年京都大山崎に八幡宮が建立され、この地が遊猟の足場に使われた嵯峨天皇の離宮「河陽宮」跡であったことから「離宮八幡宮」と称され現在に至っています。貞観18年、ご神体の分身を淀川の対岸にある男山に祭ることになり、4月3日に遷座が行われました。これが「男山石清水八幡宮」です。
以来、毎年4月3日に天皇の勅使が先ず離宮八幡宮へ参拝されたあと、男山参拝に向かわれるのが恒例となり、この行事が「日使頭祭」というお祭りに発展しました。
藤原定家も明月記に、このお祭りのことを記載しています。


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この日は好天に恵まれ、製油会社、油問屋、市場、小売店、新聞社など、植物油に携わっている方々が全国津々浦々、100人以上が集まり御灯明油を奉納し一緒に参拝させていただきました。


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この日は、当時の1/2大きさですが、搾油機が再現され実際に荏胡麻油の搾油もありました。
離宮八幡宮が創建された貞観年間、八幡宮の神人が長木と呼ばれる搾油機を創作し、荏胡麻油を製造して朝廷おび京都周辺の社寺へ灯明油として奉納しました。これがわが国製油の始まりとされ、古来、油業者が離宮八幡宮を油祖として崇敬しお守りしてきました。

1100年以上も前から国内で油を搾油していて、オリーブ油の国内産もまだまだこれから…!!
今秋も豊作と最高のOlive Oilが採油できることをお願いしてきました…♪


農夫 尾豊弘


posted by takao-olives at 19:22| 日記